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ペルソナ・セグメンテーション

製品開発の現場で使えるターゲット像
「ペルソナ」の市場規模推定

リアルなターゲット描写と定量的な市場規模推定

ターゲットのセグメンテーションを検討しています。今までクラスター分析を使ってきたのですが、セグメントの解釈が曖昧で、人物像が漠然としており製品開発やマーケの現場で活用されていません。何かいい手法はありませんか?

 液晶テレビの製品開発の中で、ユーザーセグメンテーションを過去に行ったのですが、「ファミリー利用層」「一人暮らし層」など、ありきたりな分け方になってしまっていて、ターゲットユーザーを絞りきれない状態になっています。また、セグメントの意味の解釈が難しく、似たようなセグメントも複数出てきて、開発の現場で活用されていません。

 しかし、実際にはユーザーにもいろいろなタイプが存在しているはずです。製品開発の現場で実務に役立てられるくらいに精緻なターゲット像と、その人達の市場規模を同時に把握したいと考えているのですが、何かよい手法はないでしょうか。

 

ペルソナ法で定性的なユーザー像と行動シナリオを作成し、定量解析的にペルソナの市場規模を推定してセグメンテーションを行いましょう。定性的なユーザーコンテクストを基に、定量的に妥当なセグメントを導く方法です。

 ペルソナからターゲット像を作成することで、現実に存在している実感のあるターゲット像とそのコンテクストシナリオ(利用・体験のシナリオ)が作成できます。その上でペルソナ自体の市場規模を推定することで、通常のセグメント分析と同様に、規模の大きい、ポテンシャルの高いペルソナをターゲットにできます。

 この手法は、ユーザーの体験や利用シーンが定性的に記述されているので、商品開発の現場で実務的に役立つという側面と、マーケティング戦略立案に必要な市場規模やそれぞれのターゲットへの訴求構造が定量的に得られるという側面を併せ持っています。その為、STP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)から、製品開発戦略までを一気通貫させることが可能です。

 

マーケティング現場の事情と課題

 ペルソナ法とは、インタラクションデザインに用いられる手法の一つで、架空のユーザーの人物像を作り、ペルソナ=消費者の視点で開発を行う為の手法です。製品やサービス開発の際に、より多くのターゲットの要望に応えようとすればするほど、その製品・サービスの焦点はブレてしまい、結果誰にも訴求出来ないものができあがってしまうケースがあります。ペルソナ法では、ターゲットが製品・サービスに、どのような理由・文脈で、どのように接し、どう利用するか、その振る舞いを子細に観察・定義することで、「たった一人の為の、突き詰めた製品を作る」ための明確なターゲット像として活用されています。

 一方、従来のセグメンテーション手法では、アンケートの回答データなど、回答傾向の類似性からクラスター分析などで数量的にセグメントを作成する方法が一般的です。ですが、従来の定量的な方法で作成したセグメンテーションでは解釈に困るセグメントが発生したり、ユーザー像が絞り込めなかったり、セグメントとして存在していることの実感に乏しい結果が出ることが多くあります。実態を想像できないようなセグメンテーションは、開発の現場で次第に使われなくなり、埋もれてしまうことがよく見られます。

 そこで、ペルソナを用いたセグメンテーション手法では、まず定性調査を行い消費者インタビューや観察調査からターゲット像の「仮説」としてペルソナを網羅的に作成します。次に作成したペルソナについて、「本当にそんなターゲットが存在するのか?市場にどれ位存在するのか?」というターゲット像の定量的な「検証と市場規模推定」を行います。

 ここでは、この定性と定量の合わせ技により、人物像の表現の豊かさと量的な妥当性を兼ね備えたセグメンテーションを作成するロジックと手法を紹介します。

分析のゴール

ユーザーのペルソナからセグメンテーションを作成して運用する

分析のロジック

1
定性調査を行いユーザーのデータを収集

市場の消費者を代表的な数体のペルソナで表現するために、市場のユーザーを網羅するようにインタビュー対象ユーザーを選定、コンテキスチュアルインタビューを行いユーザー情報を収集。

2
WSを行いペルソナ作成し、ペルソナを表現する要素を定量検証のために抽出

定性データを元にしてWSを行い、架空のユーザー「ペルソナ」のプロフィールを作成。その中でもペルソナを表現する要素を定量検証の為の調査項目として抽出する。

3
作成したペルソナの妥当性を検証する

定量アンケートを実施し、定性的に作成したペルソナが市場に実際に存在しているかの妥当性を、定量解析によって検証。結果を踏まえてペルソナを調整。

4
ペルソナの市場規模を算出・今後のペルソナセグメント運用ツールを作成

妥当性を検証したペルソナそれぞれにつき、市場規模を算出する。セグメンテーションが決定したら判別分析を実施し、アンケート回答者のセグメント判別ツールを作成し、今後の調査に組み込む。

アウトプットの解釈

 ペルソナセグメンテーションでは、大きく分けて2つのアウトプットが作成されます

 1.各ペルソナのプロファイル(ペルソナ基本文書)
 2.ペルソナの市場規模の算出結果

 上図の例では、「1.各ペルソナのプロファイル(ペルソナ基本文書)」として、「エクストリーム 情報発信ユーザー」というペルソナのプロファイルの例を掲載しています。ペルソナの詳細な記述は「ペルソナシナリオ」に記載されますが、このペルソナに定義されたプロファイルの一部を紹介すると、

 頻繁に家電量販店に足を運び(行動の定義)
 スペックについて非常に詳しく(知識レベル)
 ネットでの情報発信もしていて(情報発信)
 自分でAV機器構築することが満足に繋がる(ペルソナのゴール)

 という、ターゲットの製品に対する知識レベルや行動、コンタクトポイント、製品に求めるニーズなど、ペルソナをターゲットとして製品開発・コミュニケーション検討を行う上で、必要な詳細情報が盛り込まれています。そのため、例えばエクストリームユーザーにフォーカスした製品を開発するには、「"エクストリーム情報発信ユーザー"さん(作成したペルソナ)は、どのような製品であれば満足してくれるか?」を問いかけながら、製品のブラッシュアップを進めることが出来ます。

 しかし、このようなエクストリームユーザーは、いったい市場にどれだけ存在するのでしょうか。それを算出した結果が、「2.ペルソナの市場規模の算出結果」にて算出されています。実際にターゲティングを行う際には、目指すべきセグメントが市場に占める割合が重要となりますが、この例ではエクストリームユーザーは市場に8%しか存在していないため、メインターゲットとするには規模が小さすぎると判断することができます。
 他にも、コンセプトテストの結果をセグメント別に分析するなど、通常のセグメント手法と同様に調査での運用や分析が可能なため、あらゆる調査の分析視点としてペルソナセグメンテーションを共通して組み込むことが可能です。

 以上のように、各セグメントの定性的な人物像の表現の豊かさと、定量的な検証を組み合わせた「ペルソナ・セグメンテーション」を用いることで、頑健なセグメンテーションを実現できます。信頼できるセグメントが作成されれば、STPやその後の4Pについても、明確なユーザーセグメントを軸にしたマーケットインでの製品開発プロセスを一貫させることができます。


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