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アクセプター・フォーカス

製品を受容してくれる消費者を見つけ出して
ターゲティングする

製品が出来てしまってからでも最適化できるターゲティング戦略

すでに上市が決定している製品があるのですが、誰に向けて売れば買ってもらえるのでしょうか?製品ありきで最適なターゲティングを行うにはどうしたら良いですか?

 数か月後の上市が決定している製品があるのですが、市場調査に基づいてというより開発先行で出来た製品なので、マーケティングプランがしっかり固まっていません。特に「誰に向けて売れば、買ってもらえるのか」というターゲティングのロジックと根拠が不明瞭で、急遽調査を行う事になりました。ターゲットが広すぎればリーチにコストがかかりますし、消費者視点からもメッセージがぼやけてしいます。しかし狭すぎても事業部として採算がとれません。製品開発の前にターゲットやコンセプトを固めるという順序が理想だとは思うのですが、今回の様にモノありきで売らなければいけない場合でも、バランスの良い最適なターゲティング設定を行う方法はありますか?

 

上市する製品のコンセプトを受容してくれる消費者全体の約8割をターゲティングできるように、セグメントとターゲットを設定するようにしましょう。

 モノありきで行うターゲティングの本質は、「狙う市場の規模 × 製品コンセプトの受容性」を最大化しつつ、広くなりすぎない「丁度いい」セグメントを見つける事です。通常の因子分析+クラスター分析のセグメンテーションではなく、「コンセプトの受容性が高い消費者のおよそ80%をとるには、どのようなニーズを持った消費者をターゲットとすればよいか」という視点から目的志向のセグメンテーション調査とターゲット分析をしましょう。

 

マーケティング現場の事情と課題

 プロダクトアウトで製品開発が行われている時、マーケターの悩みとしては、「(その市場性はどうあれ)売りたいモノはもうできている。それをどう売るかを考えなければいけない」という事が挙げられると思います。コミュニケーションターゲットとビジネスターゲットの線引きを慎重に行い、より多くの消費者を狙いつつも、焦点がぼやけていないようにターゲットを決めなければいけません。

 既に製品がある場合のターゲティングにおいて、市場のポテンシャルを考える際、不可欠な要素として「需要規模」「受容規模」が挙げられます。まず「需要規模」に関して、製品は消費者が持つニーズが受け皿となって購買されます。従って、基本的には受け皿としてのニーズが小さければ、つまり「需要(ニーズ)規模」が小さければ、ターゲット市場として成立しません。そもそもターゲティングを検討するには適切なセグメンテーションが必要となりますが、その理由から、”どのようなニーズを持った消費者がどれ位いるのか”というニーズベースの視点で市場を細分化して、需要のタイプと規模の推定ができている事がまず求められます。

 しかし、需要規模だけでターゲットを決定することは出来ません。いくら需要規模が大きくても、そのセグメントの消費者が当該製品を受け入れてくれなければターゲティングの後のポジショニング戦略が機能しないからです。また逆に、他のセグメントにもコンセプトを受容してくれる消費者は大なり小なり存在しますので、彼らを拾う事ができなくなるというデメリットもあります。

 そこで大切なのが、企業側で設定したセグメンテーションに無理やりターゲットをあてはめるのではなく、製品を受け容れてくれる消費者が各セグメントにどれ位いるかという「受容規模」を推定し、受容層を集約したセグメントを作ることです。この受容規模の高い消費者グループがターゲットとして設定すべきセグメントとなり、そこで求められているニーズが訴求対象となるキーニーズです。

 では、このようなセグメントはどうしたら見つける事ができるでしょうか?ここでは上記のような事情を踏まえた上で、上市する製品がすでに完成している、もしくは開発推進の承認が下りていて商品化が決まっている場合に、最適なターゲットを設定するの為のロジックと手法を紹介します。

分析のゴール

製品コンセプトを受容してくれる消費者全体の、約8割をターゲティングできるように、ターゲットセグメントを設定する。

分析のロジック

1
消費者のニーズを抽出する

製品に関連するニーズをワークショップやデスクリサーチで抽出する。

2
抽出したニーズの重要度調査と、上市する製品のコンセプトテストを行う

抽出したニーズの重要度、製品コンセプトの評価(受容性)を調査によりデータ収集する

3
ニーズのセグメンテーションを行い、ニーズグループごとの需要規模を算出する

調査で得られたデータより、ニーズのグループ分類とそれぞれのニーズグループの「需要規模」を算出し、市場にはどの様なニーズを持った消費者がどの位いるのか推定する。

4
ニーズグループごとの、製品コンセプトの受容規模を算出する

それぞれのニーズグループ内の消費者の何%が製品コンセプトを受容するか、という受容比率を求め、需要規模と受容比率から「受容規模」を算出する。

5
全体で受容層の80%をターゲティングできるように、ニーズグループを集約する

コンセプトの受容性が高い消費者の80%を狙うには、どのようなニーズを持った消費者をターゲットとすればよいか分析し、受容性の高い消費者を集約したセグメントをターゲットとして設定、ターゲットプロファイルを作成する。

アウトプットの解釈

 まず、ワークショップやデスクリサーチによって抽出された、製品に関するニーズを用いて重要度調査を行い、ニーズのグループ分類とその需要規模を求めます。例では、市場全体のニーズをG1~G5の5つのグループに分類し、各ニーズグループの需要規模を算出しました。各ニーズグループを比較すると、G1”口臭をケアしたい”というニーズグループの需要規模が400万人と最も大きいことが分かります。

 次に、製品のコンセプトテストの結果を用い、製品を受け入れてくれる消費者が各ニーズグループにどれくらいいるか、という『受容規模』を算出します。『受容規模』は、各ニーズグループにおける製品の受容比率から算出します。例では、G1の受容規模が250万人と最も大きく、G5の受容規模が50万人と最も小さいことが分かります。さらに、これら製品コンセプトを受容する層の全体をみると、受容層全体で800万人が製品コンセプトを受容していることが分かります。

 製品コンセプトを受容する消費者を抽出したら、次は抽出された受容層全体の約80%程度を抽出できるように、消費者とニーズを解析によって再度集約します。ここで受容層を全てターゲティングしようとすると、ニーズが多様化しすぎてしまい、同一セグメントとしてコミュニケーションの狙いを定めるのが難しくなります。その理由から、およそ80%程度まで絞り込みを行い(雑多な20%は切り捨て)、ニーズがある程度同質化するようにターゲットセグメントとして集約します。

 例では、G1、G2、G3の製品コンセプト受容層を1つのセグメントとして集約し、累積で受容層全体の約81%を占めるターゲットセグメントが定義されました。同時にこのターゲットセグメントがもつ重要なニーズも集約されており、「口臭を予防したい」「有害な成分が入ったものを使いたくない」といったニーズがキーニーズとなる事が分かります。このキーニーズに対して製品を訴求していくことで、受容層に対する効果的なポジショニングを行う事ができます。

 また、このようにターゲットセグメントが定義されると、年齢、ライフスタイル、購買チャネル、コンタクトポイントなどターゲットのプロファイルも把握することが可能になります。これらのプロファイル情報を基にターゲットにリーチし、ポジショニング戦略を展開していきます。

 このように、「アクセプター・フォーカス」は、製品コンセプトの受容性が高い消費者の大部分が取れるように消費者とニーズを集約することで、「ニーズの規模 × 製品コンセプトの受容性」を最大化しつつ、広くなりすぎない“丁度良い”規模のターゲットセグメントと、そのセグメントに紐付くキーニーズを導き出します。


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