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ファネル・リポジショニング

リポジショニング戦略
「購買行動を起こさせるコンセプト開発」

購買ファネルからポジショニング戦略を見直す

上市してしばらく経つ製品があるのですが売上が思うように伸びておらず、リポジショニングとそれに伴うコミュニケーションの見直しを検討しています。どのように進めればよいのでしょうか?

 ある台所用洗剤製品のポジショニングの見直しを検討しています。この台所用洗剤は、現在「手に優しい」というベネフィットを中心に据えたコンセプトでプロモーションを展開していています。コンセプト自体の受容性は高いのですが、売上がついてきません。どのように考えれば、売上を伸ばすリポジショニングを行う事ができるでしょうか。

 

現状のポジショニングにおける問題点を消費者の「購買行動モデル」の観点から見つけ、その問題を解消する力の強いキーベネフィットを中心に据えたコンセプトを開発して、リポジショニングを行います。

 コンセプトを見て「いいな」と思う事と「買う」事は別物です。具体的な購買行動を起こさせる力がコンセプトにあるかないかは、コンセプトの中の「キーベネフィット」の選択と表現に依存します。購買行動を起こす力が弱いベネフィットを積極的にコミュニケーションするのは最適ではありません。

 売上が伸びないという事は、「買う」までに至る購買行動プロセスのどこかに停滞がみられるということです。まずその箇所を突き止めましょう。そしてその購買行動上の停滞を解消する力が強いベネフィットを探索し、それをキーベネフィットに据えたコンセプト表現を開発する事で、購買行動を促進させるのに有効なリポジショニングを行いましょう

 

マーケティング現場の事情と課題

 製品をポジショニングする場面では、実務上コミュニケーションコンセプトの開発を視野に入れる必要があります。そしてコミュニケーションプランの開発に際しては「どのベネフィットをキーにして、どういう表現でコアメッセージに据えれば、企業側が望む消費者の購買行動を喚起することができるか?」という分析視点を加えると効果的です。

 アンケート等で得られる受容性というのは、端的に言えば「消費者が製品コンセプトをいいなと思っているかどうか」という広範で抽象的な測定項目です。いいなと「思う」事と「買う」事は別です。いいなと思う(i.e. アンケートで高い購買意向を示す)事には消費者側のコストが伴いませんが、後者には金銭の支払い/比較検討の労力/買い物に出かける行動などの具体的なコストが伴う為、購買行動を起こさせるには、「何故その製品を買わなければいけないのか」「何故そのブランドでないといけないのか」という明確かつ説得力のある理由が必要になります。従ってコミュニケーションコンセプトの開発に先駆けて、まず「キーベネフィット」の選択が重要になります。

 さて、どの製品特性やベネフィットをコアに据えるかによって、コミュニケーションは「認知・短期記憶させる力が強い」「製品ベネフィットを理解させる力が強い」「興味をもたせる力が強い」「試しに使いたいと思わせる力が強い」など、購買行動の促進効果が異なる事が知られています。

 売上が伸びないという事は、買ってもらえていない、つまり購買ファネル(消費者が購買に至るプロセス)のどこかに問題があるという事です。ここでは、その購買ファネル上で問題のある箇所を特定し、その箇所の停滞を解消する力の強いキーベネフィットを探索するロジックと手法を紹介します。ちなみに製品によって”買われ方”は異なる為、分析の為の購買ファネルは製品に特化して別途作成しておく必要があります。その方法については購買行動因果モデリング(こちら)を参照下さい。

分析のゴール

現状のポジショニングにおける購買ファネルの問題箇所の特定及び、問題解決に最適なキーベネフィット案の設定

分析のロジック

1
製品ベネフィットの抽出と質問項目への落とし込み

現在のポジショニングでキーベネフィットとして押し出しているものも含め、製品の持つベネフィットをワークショップ等を通して網羅的に抽出し、質問票の評価項目に落とし込む

2
製品とターゲットに適した購買ファネルを設定する

購買行動因果モデリング」を用い、製品がターゲット消費者に購買される道筋を適切に表した購買ファネルを設定する。

3
現状のポジショニングにおける、購買ファネルの問題点を把握する

現状のポジショニングにおいて、2で設定した購買ファネルのどこに停滞が起こっているのか、その箇所を特定する。

4
停滞を解消する力の強いベネフィットを把握する

分析により、どのベネフィットがどの購買行動を喚起する力が強いのか把握し、3で特定した停滞箇所を解消する力が強いベネフィットを探索する。

アウトプットの解釈

 まず、購買行動モデルを作成し、購買ファネルを定義します。購買行動プロセスにフォーカスしてリポジショニングを行うためには、適切な購買行動モデルが設定されていることが重要です。(購買ファネルの作成する方法はコチラ

 図の例では、「ブランド認知→興味関心→製品理解→比較検討→購入→継続購入」というプロセスで購買ファネルが定義されています。

 また、定義した購買ファネル、現在のキーベネフィット、あらかじめワークショップなどで抽出したその他の自社製品のベネフィットについてデータを収集し、各ベネフィットが各購買行動を喚起する強さを算出します。図の例では、算出した購買行動の喚起力を表にまとめており、購買行動の喚起力が強い箇所にマーキングしています。

 購買ファネルを定義し、製品ベネフィットの購買行動の喚起力を把握することができたため、続いて、ファネル分析とキーベネフィットの特定を行います。



 ファネル分析とキーベネフィットの特定は以下の、3つのステップで行います。

1.各購買ステージのターゲット規模を把握し、現状の購買ファネルのどこに停滞が起こっているのかを把握する
2.停滞が起こっている購買行動に対して、喚起力のあるベネフィットを探索する
3.購買行動の喚起力の強いベネフィットをキーベネフィットとして設定する

 図の例では、購買ファネルを見ると、「製品理解→比較検討」のプロセスで停滞が起こっていることがわかります。現在のキーベネフィットである『手に優しい』は、このプロセスへの影響力が強くないため、この「製品理解→比較検討」の購買行動を喚起する力が強い他のベネフィットを探索すると、『油汚れに強い』というベネフィットが喚起力が強いことが読み解けます。このことから、『油汚れに強い』ことをキーベネフィットとしてリポジショニングすることで、購買ファネルの問題を解消することができ、売上の向上が見込めると考えられます。

 このように、購買ファネル上の問題点を把握し、ベネフィットが購買行動を喚起する力を算出することで、購買行動の停滞を解消するキーベネフィットを導き出すことができます。このキーベネフィットを中心に据えたコミュニケーションプランを策定することで、購買ファネルの停滞を解消し、ファネルのゴールとなる「購入」に至る消費者をより多く獲得することが可能となります。


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