アクセプター・フォーカス
製品を受容してくれる消費者を見つけ出して
ターゲティングする
製品が出来てしまってからでも最適化できるターゲティング戦略
アウトプットの解釈

まず、ワークショップやデスクリサーチによって抽出された、製品に関するニーズを用いて重要度調査を行い、ニーズのグループ分類とその需要規模を求めます。例では、市場全体のニーズをG1~G5の5つのグループに分類し、各ニーズグループの需要規模を算出しました。各ニーズグループを比較すると、G1”口臭をケアしたい”というニーズグループの需要規模が400万人と最も大きいことが分かります。

次に、製品のコンセプトテストの結果を用い、製品を受け入れてくれる消費者が各ニーズグループにどれくらいいるか、という『受容規模』を算出します。『受容規模』は、各ニーズグループにおける製品の受容比率から算出します。例では、G1の受容規模が250万人と最も大きく、G5の受容規模が50万人と最も小さいことが分かります。さらに、これら製品コンセプトを受容する層の全体をみると、受容層全体で800万人が製品コンセプトを受容していることが分かります。

製品コンセプトを受容する消費者を抽出したら、次は抽出された受容層全体の約80%程度を抽出できるように、消費者とニーズを解析によって再度集約します。ここで受容層を全てターゲティングしようとすると、ニーズが多様化しすぎてしまい、同一セグメントとしてコミュニケーションの狙いを定めるのが難しくなります。その理由から、およそ80%程度まで絞り込みを行い(雑多な20%は切り捨て)、ニーズがある程度同質化するようにターゲットセグメントとして集約します。
例では、G1、G2、G3の製品コンセプト受容層を1つのセグメントとして集約し、累積で受容層全体の約81%を占めるターゲットセグメントが定義されました。同時にこのターゲットセグメントがもつ重要なニーズも集約されており、「口臭を予防したい」「有害な成分が入ったものを使いたくない」といったニーズがキーニーズとなる事が分かります。このキーニーズに対して製品を訴求していくことで、受容層に対する効果的なポジショニングを行う事ができます。
また、このようにターゲットセグメントが定義されると、年齢、ライフスタイル、購買チャネル、コンタクトポイントなどターゲットのプロファイルも把握することが可能になります。これらのプロファイル情報を基にターゲットにリーチし、ポジショニング戦略を展開していきます。
このように、「アクセプター・フォーカス」は、製品コンセプトの受容性が高い消費者の大部分が取れるように消費者とニーズを集約することで、「ニーズの規模 × 製品コンセプトの受容性」を最大化しつつ、広くなりすぎない“丁度良い”規模のターゲットセグメントと、そのセグメントに紐付くキーニーズを導き出します。