コミュニケーションチェーン
コミュニケーションプランの作成
「訴求の順番と道筋を探る」
製品ベネフィットがニーズを満たして行く道筋から、最適なコミュニケーションプランを探る
コミュニケーションチェーンでは、製品のベネフィットとターゲットの持つニーズを分解し、要素間の結びつきの強さを連鎖グラフで表します。パスでつながっているニーズ・ベネフィットは直接的に結びつきがあり、パスの数値はその結びつきの強さを表しています。
上図の例では、「安全な成分の歯磨き粉を使いたい」というニーズに対して、製品の各ベネフィットがどのように結びついているかを表しています。
「安全な成分の歯磨き粉を使いたい」というニーズに直接結びつくベネフィットとしては、”口内への刺激が少ない”、”化学成分を一切含まない”、”抗菌成分で口内環境を整える”という3つのベネフィットが直接パスでつながっており、”化学成分を一切含まない”はパスの係数が最も大きい(=結びつきが強い)ため、このベネフィットをコアベネフィットとして設定することで最も効果的に訴求できると考えられます。
”化学成分を一切含まない”をコアベネフィットとして設定した場合、”化学成分を一切含まない”にパスが結びついている”体に害のない天然成分”が間接的にニーズと結びつくことが出来ます。この”体に害のない天然成分”が”化学成分を一切含まない”を経由してニーズに結びつく強さを計算するためにパス係数をかけ合わせると、0.71×0.73=0.52という値が算出されます。この値は、ニーズと直接結びついている”口内への刺激が少ない”、”抗菌成分で口内環境を整える”という2つベネフィットのパス係数よりも大きいため、”化学成分を一切含まない”をコアベネフィットとして設定した場合には、”体に害のない天然成分”をサブベネフィットとした組み合わせが最も効果が高いと考えられます。
また、この2つのベネフィットがニーズへつながるプロセスを加味すると、『1.”体に害のない天然成分”を利用しており、2.”化学成分を一切含まない”ため、3.”安全な成分の歯磨き粉”です』という順番でコミュニケーションすることが最も効果的だと考えられます。
このように、製品のベネフィットとターゲットの持つニーズの連鎖グラフを作成することで、複数のベネフィットの中からどのベネフィットを選択し、どの順番でコミュニケーションすればターゲットに効果的に訴求できるのかを把握することができるため、具体的なコミュニケーションコンセプトを検討することが可能となります。